突然ですが、セーラー万年筆という文房具メーカー、どんな会社かご存知でしょうか。
…現在は社名の通り万年筆を中心に展開している会社で、その他文房具の他にも電子文具やロボット機器なども作っている総合文具メーカーです。
普及帯のボールペンやシャープペンを販売していないためか、残念ながら一般ユーザーの間ではそこまで知名度が高くないのが実状なんですが…。なんと設立が1932年(参考:パイロットが1938年、ぺんてるが1946年)という超老舗なんですよね。日本でボールペンを最初に製造したのもこのセーラーなんだとか。
さて、今回はそんなセーラーが、かつて販売していたシャープペンを紹介していきます。
〔セーラー ドローイングシャープ〕
■製図用のシャープペンシルが全盛期だったころに売られていた販売されていたセーラーの製図用ライン”Drawing Sharp”。1000円タイプと500円タイプがあり、今回紹介するのは1000円のタイプになります。
(同時期のUCHIDA(内田洋行)にほぼ同型のシャープペンシルがあり、どちらかがOEMだった可能性も。)
―それでは早速見ていきます
軸は金属製。黒に少し黄味がかった色をしており、金色の文字でDrawing Sharpと印字されています。
結構見た目が映えるので個人的には好きなポイントだったり。
クリップは真っ平らではなく少しアーチを描くような形をしています。
△ノック周り
ノックパーツにはヒダのあるゴムがついています。
似たような物にはぺんてるのスマッシュが挙げられるでしょうか。
このゴム、劣化しているのか元々なのかわからないですが、あまり伸縮しないためノック感がよく無いんですよね…。
キャップを外した状態だとカチカチとノック出来るのに対し、キャップを付けてノックすると、グニッグニッというか…あまりノックしているような感じがしません。
また消しゴム受けは半透明な樹脂製で、ちょっと安っぽい気もします。ここが金属製だと大分印象が変わると思うんですが…。
グリップはプラスチック製で、ストレー卜な形状に凹凸があるもの。
長時間握っていても痛くなりにくく、凹凸のおかげで滑りにくいです。
大きな特徴が有るわけではないですが、悪い点も特になく、万人受けしやすいグリップではないでしょうか。
口金は3段になっている物で、ザ・製図用といった感じですね。王道です。
グリップの上端には六角形のパーツがついており、転がり防止になっています。
硬度表示はB~3Hの対応。
この硬度表示のパーツにはうっすらと芯径も表示してあります。
口金を外すとこのような感じに。
…とここで頭の中にとあるシャープペンが浮かんできます。
なにかに似ているような…。
そう、浮かんで来たシャープペンとは、グラフ1000のことです。
口金の形が写真を見てもらうとわかる通り、そっくりなんですよね。上の方で口金の形を王道だと書きましたが、やはり突き詰めると形が似てくるのでしょうか。
口金だけ並べるとどっちがどっちだか良く分かりません。もし色合いが両方とも同じであればなかなか見分けがつかないかと。
□最後に、本体を少しバラしてみました。
1000円という価格の面で見ると、中の芯受けのチープさが少し残念です。
軸がプラスチック、グリップが金属というのはよくありますが、逆はなかなか珍しいですよね。
どうせならグリップも金属製にすれば良かったような気もしますが、重量バランスを考えると仕方のないことなのかもしれません。
後で気づいたんですが、これグリップと軸も分離する事が出来ますね。ネジで止めてありました。
□ソツなくまとめられているこのペン、私は結構気に入っています。
気兼ねなく手に取れる扱いやすいペンだと言えるでしょう。
惜しい点を言うと、随所に使われている樹脂が安っぽいのとノック感が悪い点でしょうか。
残念ながら廃番になっていますが、意外とまだまだ手に入りやすいみたいです。同じ形のUCHIDA版もありますし~。
〔製品情報〕
SAILOR Drawing Sharp
芯径:0.3㎜/0.5㎜/0.7㎜(他未確認)
価格:1000円(税抜)
一般的な大型文具店などでは見つけることが難しいですが小さな文房具屋などに残っているかも…しれません。
H28-9/11 記事内容を加筆・修正
コメント
金属が多ければいいというものでもありませんが、やはり1000円という値段でここまでプラスチック率が高いとあまりいい印象はしません。ですがグラフ1000型口金、線が入ったプラスチックのグリップは好きなので試してみたいです。
あと、私のツイッターのアカウントは消しました。
理由は海外からの自動送信DMが非常に多いこと、おすすめユーザーからむやみやたらにフォローした結果訳の分からないことになってしまったからです。別のアカウントで復活したときにはかなりフォローする方を絞るつもりですが、ものてっくさんは最優先でフォローさせていただきます。
バラバラさん、こんにちは
やはり1000円という価格がネックでしょうか。
ほぼ同じ形の500円モデルとパーツを多く共有している兼ね合いで、どうしてもプラスチック率が高めになってしまうのでしょうね。
グリップは金属製では無いものの、質が低い物ではないと思うので是非見かけたら試してみてください(^^)
Twitterのアカウント、削除されたんですね(TT)
海外の迷惑DM、私はまだ受けた事が無いのですが、やはり気を付けた方がいいですね💦
削除されたということは残念ですが、アカウントを再取得された際はお声掛け下さいね。お待ちしております!
ウチダのドローイングにも似たような型のものがありますが、コクヨからも「TZ-PSP515」という似たような型のものがあったみたいですね。
自分はコクヨのものを2本所持していて、ノック部分もセーラー版と同じような物なのですが、やはりあまり伸縮しないのでノック感がブニブニしています。
個体差が激しいらしく、個体によっては伸縮してスムーズにノックできるものもあるようです……。
ピクセルさんこんにちは~
コレと同型の物は他にも色々あるんですよね。(参考:https://twitter.com/monotech500/status/930059745506889728)
ウチダにコクヨにセーラー…一体どういう関連があったのか、気になる所です。
>個体差が激しいらしく、個体によっては…
中にはカチカチになってしまっているものもありますね。
ノックゴムの硬さは個体差…と言うよりかは劣化具合による部分が大きいんじゃないかと思います。(といっても、根本的に硬すぎる気がしますが…)