筆記具紹介38 オート ノックゲル FLAT-C

気づけば「あけまして…」と言うには随分と遅くなってしまいました。(昨年も同じこと言ってましたね。成長してないのがバレバレです…。)
こんな感じの当ブログですが、本年もどうぞよろしくお願い致します。

それでは2018年1つ目の文具紹介へ参りましょう。

〔OHTO ノックゲル FLAT-C〕


■概要

今回はかつてOHTOが販売していたボールペン「ノックゲル FLAT-C」です。発売当時としては珍しかったノック式のゲルインクボールで、定価は1000円(税抜)、カラーはブラックとシルバーの2色展開でした。

このFLAT-C(フラット-C)という変わった名前は「フラットなクリップ」のことを指すもので、その名の通り、極薄のクリップ(超フラットクリップ)が特徴となっています。

そんな奇抜な名前とは裏腹に1000円もするだけあって造りは良く、妥協のないフルメタル外装や上述の極薄のクリップ、特徴的なクリップリターン機構など、見どころ、使い所が山盛りのペンなんですが…(そこはOHTO、どこかに落とし穴があるのです)
ー今回はそんな本品を、実使用での感想を織り交ぜながら紹介して行きます。

■後軸

それでは後部から。
ストレートな6角形ボディ(OHTO曰く、「握りやすい六角軸BODY!!」)で、軸材はアルミニウム。軸にはロゴと品番が印字されています。(ロゴは毎度のごとく剥げやすいので注意です)

薄くて平らなクリップ(後述)と後部のローレット加工が大きな特徴になっています。

…それとなくロットリング600っぽさを感じますよね。

なお、繰り出しは後端の細いノックボタン、リターンはクリップの付け根を押すことで行います。(ぺんてるのグラフギア1000とほぼ同じ仕組みです)

■超フラットクリップ

冒頭でちらりと触れた、アイデンティティとも言える薄いクリップ。

見た目はカッコイイんですが、実用性は…残念ながらかなり微妙です。クリップ自体が薄いうえに可動域が狭く、挟めるものが限定されてしまって使いづらいんですよね。

上記画像では試しにノートの縁に挿してみたところ…なんですが、見て分かる通り、奥まで挿し込むことが出来ていません。厚手の胸ポケットや手帳の背表紙なんかも同様挟めないので、イマイチその役割を果すことができず…。(薄いビニールカバーの手帳なんかには挟めることは挟めるんですが、今度は見た目が不釣り合いになりますし…)

…と言った感じで、残念ながらその本領を発揮できていません。コンセプトは…コンセプトは良いんですけどね…爪が甘いです。

■前軸(グリップ)

さて、話は戻って前軸に。
後軸よりもひとまわり太くなっているグリップ部分は真鍮製。立派なローレット仕様です。

ローレットのフィーリングは同社「スーパープロメカ」と同等のもので、キツくない、浅めのものになっています。先端の3段テーパー、ニードルポイントとあいまってまさに「製図用シャープ」ライクで、メカメカしさが半端ではありません。


■分解図

分解してみると軸・口金・リフィルの3つに分かれます。
ノック機構が単純な分、内部構造も分かりやすいですね。

なお、リフィルはPG205-NP(0.5mm)が指定ですが、現在はリフィルも廃番になってしまっているので、後継のPG-105NP(0.5mm/フラッシュドライゲル)を利用するのが良いかと思います。(もっとも、いわゆるパーカー互換規格なのでいくらでも代わりがありますが…。)

■おまけ
おまけに…ニードルから砲弾型へ交換…の図です。う~ん。…なんだかますますロットリング600ボールペンっぽくなってしまいましたが、意外とこの見た目も悪くないです。


■使用感

重い(実測25グラム)ですが、非常に扱いやすいです。

フルメタル外装にもかかわらず意外にも重心バランスは悪くなく(やや前程度)、ペンの自重だけでスラスラと筆記できるような、そんな良い重量配分になっているんじゃないかと。(ただし、重いペンが苦手な人、ローレットグリップが好きではない人には根本的に向かないとは思いますが…)

良好な剛性感、快適な3段テーパー、製図用シャープ譲りのローレットグリップ…1000円で購入できる(出来た)ボールペンの中では、最高峰レベルでは無いでしょうか。

惜しむらくはクリップ部分。多少野暮ったくなっても、ココは実用性を追求して欲しかった所ですね…。OHTOさん、クリップを改良して、2000円でもいいから再販してくれないものでしょうか…。


〔製品情報〕
OHTO ノックゲル FLAT-C
品番:NKG-10FA-05
価格:1,000円(税抜)
芯径:0.5㎜
重量:25g(実測)
インク:ゲル

※重量は公称29グラムですが、実際は25グラムです。

■あとがき

発売期間が短かったためか、あまり見かけませんね…。知名度も低いようです。
現在はギミック的にほとんど同一の水性ボールペン「[O]eau(オー)」が販売されていますが、ぜひまたこのボールペン(もしくはこれに近いもの)も、再販してほしい所です。

コメント

  1. pentel より:

    この前廃番巡りをした時この商品を購入できました!かなり扱いやすいペンですね!気に入ってます。

    • monohashi より:

      入手なされたんですね!
      おめでとうございます。替芯もバリエーションがあるので、是非色々と試してみてください^^

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