発売からすっかり日数が経ってしまいましたが…前回に続いてトンボ鉛筆より、今年新発売となったモノグラフゼロの紹介です。
ぼちぼち使った感想などを交えながら、紹介していきます。
ーそれでは。
〔MONO graph zero〕
■概要
以前紹介した”MONO graph“、そしてその後発売された廉価帯モデルの”MONO graph one”に続いてシリーズ3種類目として2016年8月8日に発売されたのがこの「MONO graph zero」です。
0.3mmと0.5mmのラインナップで、価格は600円(税抜)です。
基本的なデザインはモノグラフを踏襲しつつ、新たにローレットグリップとモノゼロ消しゴムを搭載したのがセールスポイントとなっています。(…その代わりと言ってはアレですが、フレノックとクリップノックは無くなってしまいましたね。)
さて、まずは軸から見ていきましょう。
■本体上軸
透明な樹脂で出来ており、モノカラーが軸の片側のみ、その他のカラーが全面に塗装をしています。…モノカラーの片側塗装、軸の内部が見えるので面白いことには面白いんですが、少しばかり安っぽいような気もしますね。(もっとも、ここは好みですが)
心配だった塗装の強度(※モノグラフは塗装が剥げやすかったので)ですが、数週間使った段階では剥げておらず、モノグラフよりしっかりしていると言えそうです。またそれに関係してなのか、あくまで感覚なんですがモノグラフと樹脂の材質が違う気がしました。やや透明度に欠けるような…気のせいでしょうか。
クリップは軸のくぼみに嵌めてあるものです。無理やりですが、一応取り外すことが可能です。
モノグラフと違って普通のノック式なので、この辺りは非常にスッキリとしていますね。
でもって、ノックキャップは売りの2.3㎜の消しゴム付きタイプ。ぐるぐると回転させることで出し入れすることができます。
…とそれは良いんですが。実はここがかなり曲者。…というのも、ノックがかなり重く、押し心地が非常に硬いんですよね。ただノックが重たいだけならまだ良いのですが、ノックキャップが細かったり、芯の繰り出し量がやたら少なかったり…と色々と相まって、芯を繰り出すたびに指の平にキャップが刺さり、手が痛くなります。
消しゴム使用時にノックされないように、との配慮でノックを重くしているのかもしれませんが、もう少し改良されると良いかな~と。
さて、そんなケチがついたキャップですが、消しゴム自体については消字力が高く、長さもそこそこと中々優秀。ピンポイント消しならば十分実用的に使えるレベルです。文句なしですね。
ただ、細いだけあって消しゴムの減りが激しく、継続使用するなら別売りの替え消しゴムが必須な感じはしました。
― 替え消しゴムは3本セットで100円。それほど高価でも無いので買いだめしておくのも良いかもしれません。
同じ2.3㎜径の消しゴムと言うと、同トンボの”MONO zero”や、パイロットの”ハイテックCコレト”消しゴムリフィルが挙げられるでしょうか。
使用感も大体一緒といった感じなので、mono zeroやコレトの消しゴムをお持ちの方は同じイメージで大体OKかな、と。
消しゴムを縦から見てみるとこんな感じに。細い。ホントに細いです。
大量の文字を消すのには向いていませんが、ピンポイントで文字を一文字修正したりするのにはうってつけですよね…字を小さく書く人は特に。
もう一つの売りとも言えるローレットグリップはキツくもなく、弱くもなく…と言った扱いやすいタイプ。平凡ですが、万人受けしそうな感じです。また、グリップ自体もそこそこ肉厚でしっかりしており、それなりに剛性感を感じさせるものとなっています。
脱着ができる…ということでガタつきが気になってくるところですが、ちゃんとネジで固定することができます。心配無用でしたね。
どーんと、モノグラフと並べて比較してみました。…少しだけモノグラフゼロの方が軸が細いでしょうか。
モノグラフがフレノックのギミックで賑やかなのと比べると、モノグラフゼロはさっぱりしていますね。どちらが良いかは…好みが分かれる所です。
口金はほぼ同じ形です。折角のハイグレードモデル、もう一ひねりあっても面白かったかもなぁ〜なんて思ったり。
ちなみに口金には互換性があり、モノグラフゼロにモノグラフの口金をはめることが可能です。…もっとも、サイズが合わないのであまり実用的とは言えませんが。
他にも、ゼブラのテクト2ウェイシリーズの口金とも互換性があったりするんですが…その話はまた別の機会にでも…。
■使用感&レビュー
握っても痛くならないほどほどのローレット、そして自然な前重心になっているおかげで疲れにくい・扱いやすい印象を受けました。
実用的な消しゴムもついて600円。そしてカッチリしたローレットグリップにカジュアルなカラーリング、今まであまり無かった組み合わせを狙ってきた、良い製品だと思います。
あえて欲を言えば、ノックの重さや芯の出具合はもう少し改良されると良いな。なんて。
□トンボ鉛筆によると「プロ仕様本格派シャープ」とのことで、ややハイクラスな立ち位置を狙っているようです。オレンズシャープのメタルグリップタイプや、ほぼ同時期に発売されたデルガードLXを意識している事が伺えます。
果たして、600円という価格で1000円帯の製品に切り込んでいけるのでしょうか。今後に注目です。
〔製品情報〕
製品:モノグラフゼロ
価格:600円(税抜)
芯径:0.3mm/0.5mm
品番:0.3mm/DPA−161
:0.5mm/DPA−162
軸色:モノカラー/シルバー/ライトブルー/ライム/ピンク(0.3㎜はモノカラーのみ)
■あとがき
現状、0.3㎜の軸色はモノカラーのみとのことで、当面は0.3㎜ユーザーにとって色の選択肢が無さそうです。モノカラーはトンボらしい良い色ですが、癖があるカラーですし他の色の需要もありそうなんですが…どうなんでしょう。
モノグラフのように、他の色がラインナップされることに期待ですね。
■2024年8月追記
本製品は2022年末頃をもって販売を終了し、廃番品となっています。(トンボ鉛筆のホームページからも2023年1月時点で削除済み)
製品品質と価格のバランスが取れた良い製品だったんですが、残念ですね。ある程度長期間販売されていたこともあり、2024年8月時点ではまだ市場に在庫があるようですので、気になる方はお早めに…。
H28-9/14 一部内容を追記
H28-10/28 再追記
H29-4/22 再追記
R2-6/20 再追記
■主な関連記事ーMONO graph
―文具小ネタ 振って芯が出るシャープペン
コメント
モノグラフシリーズはどれも私の好みの使用感なのですがなぜかどれも1ノックで出る芯が多すぎるように感じます。1ノックだと少ない、2ノックだと多すぎる…
>774さん
こんにちは、ブログへのコメントありがとうございますm(_ _)m
モノグラフワンは手持ちに無いので何とも言えません(¯―¯٥)が、モノグラフは少し繰り出し量が多い?かもしれませんね〜。振って芯を出しやすくするためなのかな…と。
一方で、モノグラフゼロは繰り出し量が非常に少なく、出したい芯量ピッタリに繰り出せる印象でした。機会があれば是非お試しを^^
モノグラフゼロ、芯繰出量が少ないですよね。定規にあてがって線を引くには有利だと思います。が、私有品.3mmは残芯を押し出せず、次芯が出てきません。
トンボのプレスリリースでは繰出量を設計上0.3mmにした、というので繰出量がそれくらいになるよう調整したら押し出せましたが、ものてっくさんのモノグラフゼロはどうでしょうか。
>魚眼さん
はじめましてm(_ _)mブログへのコメントありがとうございます。
私の手持ちのモノグラフゼロを確認した所、10回のノックでおおよそ1.9㎜、1回あたり約0.2㎜の繰り出しでした。…私のモノも公称値とだいぶズレています。
繰出量が0.5㎜前後の製品が多い中、やはり相当少ない部類と言えそうです。細かい調節が効く一方で、日常の筆記用途で使うには正直使いづらい気もしました。メーカー的にはどういった考えなんでしょうね…。
また、残芯の送り出しは調整無しでも可能なことは可能なんですが…どうも芯タンク内の芯がチャックにセットされにくいようで、次芯自体を送り出せるようになるまでひたすらノックを「カチカチカチ…」と連打しなければならない状態です。
他社の芯を使っている(私はHi-Uni 0.3㎜芯を使用しています)のがいけないのか、それとも精度にこだわり過ぎてシビアな造りになっているのか、謎ですよね…。
芯によっても変わるのかも、とも一瞬考えたのですが…どうでしょう?
こんばんは。いつもブログの方楽しく見させて頂いています^^*
最近、モノグラフゼロに不具合がありメーカーに問い合せたところ新品のモノグラフゼロが届きました。
そうすると、以前使っていたものよりも結構ノックの方が軽くなっているように感じましたね。それと全体重量も少し軽くなっていました。マイチェンしたのかな?
他にも色々少し変化しているので、現行型を使ってみるとすこし評価が変わるかもしれませんね。
因みに自分の物は0.5なのですが、ノック6回で2mmちょっきり芯が出ました。マイチェンによる変更ですかね?
これからも更新楽しみにしています^^*
>no.5 良い多機能ペン探してます…さん
ブログへのコメントありがとうございます。
トンボ鉛筆のプレスリリースによると0.3㎜はノック一回あたり0.3㎜、0.5㎜は0.5㎜の繰り出しが公称値となっているようなので、やはりお持ちのモノグラフゼロの6回で2㎜、というのも規定とはズレがあるようですね…。ここまでくるともはや仕様なのかな?…と思ってしまいそうです^ ^;
細かな変更点がある―とのことなので、また店頭などで触れる機会があれば留意して見てみようかと思います^^
ボチボチ…ではありますがこれからも更新して参りますので、どうぞよろしくお願いしますm(_ _)m(次の更新は恐らく多機能ペン関連になるかと…^^;)
monograph zeroの持った感じは好きなのですが、一回のノックの量が少ない上にノックするところが細いので、手が痛くなるのが残念です。
>名無し太郎さん
こんばんは。コメントありがとうございます。
私も記事内で触れてはいるのですが、やはりノックの重さ、それに重ねて繰り出し量の少なさが気になりますよね。改善されていると良いんですが…。
モノグラフゼロはローレットがいたくてノック感があまりよくないです
直して欲しいですよね
だけど低重心で書きやすいので筆箱に入れてます
ノック感に関しては記事内でも触れていますが、改良してもらいたい所ですね。
基本性能は文句なしなので、ぜひとも…。
こんにちは。
モノグラフゼロも廃盤になり、その後継の立ち位置なのかモノグラフファインが発売されましたね。私はゼロは持っていなかったのですが笑、ファインの方を使ってみた所、例の消しゴムがロックされる機構がフレフレ機構みたいにカチャカチャなるのと、若干安っぽい書き味、そしてボディの塗装(使ったのはブラック)が傷つきやすいのが気になりましたね。ただ、フルブラックの塗装とその洗練さ(ロットリング感が強いが)が今時のmpらしさがあって今は売れているのでしょうね。個人的にはゼロの方が見た目は好きだったのですが(もったいないのに言う事じゃない笑)ゼロが廃盤になった理由って何だったんですかね。