筆記具紹介9 オート プロメカ OP-1000P

今回は、オートのプロメカシリーズの内の、OP-1000Pをレビューして行きます。
オートは、ボールペンのニードルポイントと、綴じ具の「ガチャック」を中心に、一風変わった文房具を多く販売している会社です。

設立が1919年と大変歴史のあるメーカーで、一般向けボールペンの普及の立役者なのですが、残念ながらあまり知名度が高くないように思えます。

(オートの製品は玄人好みしそうな物が多い上に、そもそも取り扱っているお店が少ないから、というのが大きな理由でしょうかね…)

さて、今回はそんなオートから1本です。

〔OHTO PROMECHA OP-1000P〕

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見た目は普通な製図用シャープペン。金属軸・ローレット・硬度表示。正統派です。

スッキリした飾り気のないデザインに黒いリングが複数付いているのが特徴でしょうか。…リング自体は特に書き心地に干渉するものではないので、デザイン上の物と割り切ってしまっていいかと思います。
軸とグリップの素材はどちらも金属(アルミニウム)製。

…サラッと言いましたが、1000円で外装が全部金属製というのは、中々珍しいですよね。

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軸には”PROMECHA”の文字と品番が印字されています。シンプルでいい感じです。
…ちょっと剥がれやすいですが。
アルミニウムの軸に光沢感は無く、さらさらとした手触りです。

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キャップを外すとこんな感じに。

金属感溢れる外装に反して、芯受けのパイプは樹脂製であっさりしてます。こういった所でコストダウンを図っているんでしょうね。

個体差になりますが、筆記時にこのパイプが軸の内部で揺れて、カチャカチャと音を立てる場合もあるみたいです。…というより大半は音がなります…。
ノック部にテープを巻く等の加工をすると大分改善されますが、気になる人は購入の際に確認する必要がありそうです。

硬度表示はキャップ天部の黒いネジを回して表示を決めるタイプです。
表示の範囲は4H~Bまでの対応。ほとんどのオート製品に共通する事ですが、硬度表示がシールになっているので古い物だと剥がれてくる事があるんですよね。残念な点です。

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グリップは軸よりも大分太くなっています。
ガッチリしたグリップのせいか、かなり前重心になっているのであまり長時間の使用には向いていないのかな〜と。

また金属グリップでそれなりの太さなので、手が小さい方は握りづらいかもしれませんね。

ローレット自体は滑らかめ、かつ凹凸が小さめの物です。握りしめても特に痛くなることは無く、滑りやすいということもないので扱いやすいのではないでしょうか。

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軸にはなにやらシールが貼ってあります。
よく見ると「ガイドパイプ調整機能」の記載が…。
一番最初に”見た目は普通な製図用シャープ”と書きました。…が、しかし普通で終わらせないのがオートという会社。
そう、このシャープペンには口金の先のパイプの長さを調節できる機能があるんです。

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上記の2枚の写真の通り、パイプの長さが変わっていることがわかりますね。それに伴ってグリップの位置も変わっています。長さの調節方法はグリップを回転させ、内部のネジによって上下させるというシンプルな物。

こうしてパイプをしまっておけば落下時にもパイプの破損を心配する必要が無いですね。
…しかしここで出てくるのが、「あれ…これダブルノック式で良かったんじゃない?」というささやかな疑問。
確かにパイプをしまうことで落下時に破損を防ぐという点では、出し入れをワンクリックで行えるダブルノック式の方が優れています。出し入れの度にグリップをぐるぐる回すのは面倒ですし…。

しかしこのパイプ調節機能は、ダブルノック式と違いパイプの長さを自在に変えることができる、という利点があります。
基本製図用シャープのパイプの長さは4㎜ですが、”それじゃ長すぎる”なんて人にはこの機能が良いかもしれませんね。結構細かい単位で長さを調節出来るので…。
それに、こういうギミックが好きな方にはたまらないはずです(管理人もその内の1人です)

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口金を外すとこのような感じに、なにやらパーツが沢山…。

口金の中にもう1個口金が入っていますね。これはパイプの長さを調節させる仕組みを作る上でのパーツでしょう。他にもバネが入っています。

こうした仕組みが付いているペンというのは大抵口金のガタツキが気になったりしますが、
幸運にも管理人が持っているプロメカにはガタつきがほとんどありませんでした。ガタつき防止用のバネやパッキンが上手く効いているんでしょうね。

…ただし、ガタつく個体もあるにはあるようなので、購入の際は確認をオススメします。
パイプ調節の仕組みについて書き出すと止まらなくなりそうなので、それはまた別の機会にでも…。
プロメカは他にも沢山種類があるので、詳しい構造や仕組みについてはまたいつかそれらをまとめた記事のようなものを作る予定です。

■ギミックが色々の盛り込んであり、かつ造りがしっかりしているペンというのは中々無いのでこういう商品が現行品として売っているのは個人的に非常に嬉しいですね。
オートは管理人が好きな文房具メーカーの1つなので、願わくばもっと色々な場所で販売されるようになって欲しい所です…。管理人の近辺の文房具屋では全くと言っていいほど販売していないので…。

〔製品情報〕
OHTO PROMECHA OP-1000P
価格:1000円(税抜)
芯径:0.3㎜/0.4㎜/0.5㎜/0.7㎜/0.9㎜
重さ:18g

芯径が豊富ですね。0.4㎜があるのは個人的にポイント高いです。
大きな文房具屋や東急ハンズ、その他にも画材屋などで見かけることが多いように感じます。
インターネットではプロメカ1000Pといった名前で販売されていることが多いです。
プロメカは類似商品が多いので、購入の際は品番を確認の上お間違えないよう…。

H28-5/22 一部内容を加筆、修正しました。
H28-11/7 再追記
H28-12/31 最終更新

コメント

  1. nisix より:

    いつも楽しく読ませてもらっています。初めてコメントさせていただきます。
    OHTOは面白い製品が多いですよね。男心をくすぐる物も多い気がします。個人的にはピストンシャープなんかが好きです。
    今後もブログ楽しみにしています。

  2. ものてっく より:

    nisixさん初めまして。コメントありがとうございます。
    ホントにオートの製品は面白いですよね。
    いつもニッチな需要に応えてくれます。
    ピストンシャープ!良いですね〜(^^)
    確かにあのペンも独特な機能ですよね。
    私も1本だけですが所有しているので、いつか記事にしたいと思います。
    今後も楽しんで頂けるよう更新していきますね(*´∀`)

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