今回はサンスターのペンを紹介します。
ああ、サンスターといっても歯ブラシや歯磨き粉のあの会社とは無縁ですよ。文房具の方、サンスター文具さんです。(ネットで検索すると前者がたくさん出てきますが…。)
「ゾウが踏んでも壊れない」のキャッチフレーズが有名な「アーム筆入」を作っているメーカーで、現在は主にアニメキャラクターとコラボしたファンシー文具やアイデア文具を展開しています。
これは余談ですが、100円均一なんかで売っているキャラクターの絵柄が入った文房具の多くはサンスター製だったりしますね。
さて、そんな子供向けの製品が多い印象のサンスターですが、どうやら製図用のシャープペンも出していたようなので、今回はそれを紹介します。
〔sun-star METALGRIP PRO 〕
メタルグリップ プロ。
軸はプラスチック製ながらもキレイな仕上げで、グリップ・口金・キャップ・クリップは金属製という作りになっています。
さて、唐突ですがこのシャープペン、おいくらに見えるでしょうか?
外見的な要素からすると、パイロットのS10に似ているので1,000円でも通用するように見えますし、安く見積もっても500円ほどのように見えます。
が、このサンスターはそんな予想を遥かに超えてくる250円で販売していました。
驚きですよね。もはや価格設定を間違えたんではないかというレベルです。
しかし、もちろんこれには理由(というか欠点)もあります。それについても触れて行きましょう。
軸にはメーカーロゴや製品名、芯径(芯の太さ)が印字されています。印字量が多く、ごちゃごちゃしている印象を受けました。もう少しシンプルでも良いかな…。
大きく”PRO”と表示されていることから、製図向けを意識していたんでしょうか。
軸は少し透明性がある樹脂で、さらさらとした手触りです。安っぽさはそれほどありません。
キャップは金属と半透明な樹脂の2層構造で、デザイン上のアクセントになっています。
250円という価格にも関わらず消しゴムには芯づまり時の対処用ピンが付属しています。
消しゴムを受けるパイプは柔らかめの樹脂製で、ここは価格なりと言った所。少し耐久性に不安を感じますが、価格を考えると致し方ないでしょうか。
グリップはローレット加工がされた物。
ローレット自体は非常に滑らかで凹凸の少ないものです。イメージ的にはステッドラーのREGのローレットがかなり近いですね。
で、問題なのがグリップの前側にある5つの段差。これが曲者なんです。
おそらく滑り止めのための段差だと思うのですが、これが握りしめると非常に痛いのです。
グリップに少し寄ってみた写真がこちらです。
写真だとわかりにくいかも知れませんが、ローレットに対して垂直に切り欠きが入れてあります。
普通こういったものは角が滑らかになるように面取り加工がされているものなんですが、このグリップはそういったことがなされていません。
エッジが立ったヤスリ…という表現が適切でしょうか。長時間使用すると、もれなく握っていた指に傷ができたり腫れてしまったりするという…。
間違いなくこのペンを使うと手が削れます。
ここに安い価格で金属グリップを採用した為の無理が感じられますね。良い素材を使っても、作り込みが甘く使い心地を悪化させてしまっては本末転倒では無いでしょうか…。
グリップと口金を外すとこのような感じに。
口金は2段に加えて円錐形になっている物で、視認性はまずまずと言った所。
硬度表示は口金を少し緩めて位置をずらす物で、特にクリック感はなくスルスルと回転させて場所を決めるものです。
表示の範囲はB~4H(F無し)で、表示はシールによるものです。通常、硬度表示は濃さ順に並んでいる物なんですが、このペンは並び順が、HB→B→H→2H…となっています。
面白いというか…いい加減というか…。
そうそう、チャックは金属製で、回りを樹脂製パイプが覆っているというちょっと特殊な作りになっていました。
(特に機能面では変わった事はありません)
■感想
250円という価格でここまで出来るのか、という驚きがある一方、グリップの作りの甘さが非常に残念です。
もはやグリップの段差は無かったほうが使いやすい気もしますが、それを言っても仕方ないですね。もう少し高くなってもいいから、しっかりと作り込んで欲しかったと感じる、惜しい1本です。
〔製品情報〕: Sun-star METALGRIP PRO
価格:250円
芯径:0.5㎜/(他未確認)
軸色:ワインレッド/ブルー/ブラック
備考:ボールペンモデルも存在
現在は生産を終了しており、インターネット上でも情報はあまり見つかりません。
取り扱っていた店も少ないようで、見つけるのはなかなか大変です。
H29-3/5 一部内容を追記
H29-4/9再追記
コメント
鋭い断面さえなければなかなか良さそうなペンですね。s10っぽさがあるからなのかグラフギア500より高級に見えます。ロゴ以外は…
バラバラさんへ>こんばんは( ´∀`)
そうですね、見た目はグラフギアよりもしっかりしている印象です。まあ確かにロゴが賑やかですが…笑
ホントにグリップが勿体無いんですよね〜
この断面さえ無ければ使いやすいと思うんですが💦惜しい所です。
チャックもしっかり金属だしグリップさえましならs10とかを駆逐しうる出来だと思う。こんだけやすいと逆に不安がられて売れないかもしれないけど。
コメントありがとうございます。
ほんと、どうやって250円という価格破壊を実現したのか謎なところで…。
もう少し丁寧に作っておけば、また違った結果になったんじゃないかと思うばかりです。