無断転載を発見する方法と、その意味

※今回は珍しく、文房具以外の話です。
あまり興味がないよ〜という方は、サラッとスルーしてください。

はじめに
キュレーションメディア(と自称するサイト)及びまとめサイトの類いに頻繁に画像や文章を盗用され、非常にウンザリしていたので対抗する方法を記事にしてみました。
「無断転載をされたらどうするか」に関しては多くの方が記事にされていることかと思いますので、この記事では「無断転載をどう探すのか/見つけるか」を主題に綴っていきます。


◇目次
・概要
・引用と無断転載
・敢えて通知しないメディア
・改善の見込みは?
・今後、どうなっていくのか
・まとめサイト同士での”盗用”問題
・無断転載を発見する方法



(“とにかく無断転載されているか調べたい”という方は、こちらをクリック)


■概要

「昨年、2016年の秋頃よりDeNAのメディア「welq」を発端として、キュレーションメディアで無断転載や盗用が問題とになったこと」が、ネットブログやSNSを通して話題となったのは記憶に新しいですよね。
当ブログの写真や文章も何度も無断転載され、削除させてもまた転載…といった感じでイタチごっこでして…。
他人の文章や写真を無断で使用し、あたかも自分のコンテンツであるかのように振る舞った挙句に、あの手この手(後述)で責任逃れをしようとする多くのキュレーションメディアには私も相当に腹が立っていました。
DeNAパレットの閉鎖後、いくつかのサイトは健全化へ動き始めたようですが、全体としては依然として改善の見込みがないので、今回、対抗策として「無断転載を発見する方法と、発見する意味」を記事にまとめてみました。

引用と無断転載

通常、キュレーションメディアの多くはメディア側が記事作成ツールと言った物を用意し、ライターはそれを使用することでワンクリックでコピー&ペーストすることができる仕組みになっています。
そしてその際、転載元(ブログ・サイト等)には通知は来ません。つまり、全く気が付かない間に内容がコピーされ、掲載されてしまうのです。
“引用”であればそれでも問題ないんです。
文化庁では「引用要件」として

[1]主従関係:引用する側とされる側の双方は、質的量的に主従の関係であること
[2]明瞭区分性:両者が明確に区分されていること
[3]必然性:なぜ、それを引用しなければならないのかの必然性が該当します。
出典:文化庁

の3点を満たして、かつ常識的な範囲であるものとする。…と示しています。
※どれか一つでも満たせば良いと都合の良い勘違いしている人もいますが、違います。
キュレーションメディアを見たことがある方(ほとんどだと思いますが)は分かると思いますが、1.2.3のいずれも満たしていない所が殆どだというのが現状ですよね。

■敢えて通知しないメディア

引用の範囲外であれば無断で使用すれば当然著作権侵害、法律違反です。ところがキュレーションメディアは「引用」を隠れ蓑にし、転載元への通知等を一切行いません
引用というのはそもそも「切り貼り」を行うための制度ではないため、キュレーションメディアとは相容れない存在。通知しない、というよりはできないと言ったほうが正しいのかもしれません。
☆2017年現在、著作権侵害は親告罪です。近い内に非申告罪化する流れがありますが、今の所は、当事者が自らが著作権侵害を訴える必要があります。
通知をしたら引用元に訴えられる・問題になる…と分かっていて、”バレなければ大丈夫…”と言った、限りなくブラックなゾーンをかいくぐっている訳です。

■改善の見込みは?

DeNAのサイト閉鎖と共に多くのキュレーション・まとめサイトが一部の記事を削除、或いはサイトそのものを閉鎖したりと、一種の自浄作用が見受けられ、改善していくのかと思われました。
…が、パクリ業界の老舗とも言える「NAVERまとめ」をはじめとした多くのメディアは悪びれもせず、今もパクリ記事や事実に基づかない捏造記事を量産しており、コレからもそれが大きく変わるようには思えません。

■今後、どうなっていくのか

2017年2月、Googleが「低品質なサイト」の検索ランキングを落とし、「オリジナルコンテンツ」の評価を上げるようにアルゴリズムが変更されたことを発表しました。<参考:日本語検索の品質向上にむけて>
これによりいくつかのメディアは検索圏外にまで飛ばされましたが、閉鎖にまで追い込むような決定打にはなっていないのが現状のようです。
やはり、著作権の非申告罪化が鍵を握るでしょうね。(それから先はGoogle次第です。)

■まとめサイト同士での”盗用”問題

まとめサイトでは多くの場合ブログなどから文章・画像を「盗用」してきますが、稀に他のまとめサイトから盗用する、”盗品同士を盗み合う“現象が発生しています。
下記の「ゆかたむすび」の件などがありますね。

こうなってしまうと、自前のコンテンツが次から次へと勝手に使用され、収拾が付かなくなってしまいます。
画像系SNS「pinterest」などを通されると、追跡することは非常に難しくなり、また画像は世界に拡散されてしまいます。

■自コンテンツを守るために

では、どうすれば自コンテンツを守れるのか。
現状、無断転載されても通知がくることはありません。(WordPressやChrome等の一部プラグインを使うことで対応できることもありますが。)
そして、気が付かないままいつの間にか見知らぬサイトに無断転載されている、拡散されている。…なんて事態になる訳です。
そうならないためにも、まずは盗用された画像や文章をいち早く発見し、削除や賠償に繋げることが大事なのではないかと。


■無断転載を発見する方法

そこで、自分のサイトや画像が何処かに無断転載されてないか、調べてみようという話です。
相手は教えてくれませんので、自分で探す必要があります。
当記事では、以下3つを「無断転載を調べる方法」として紹介したいと思います。
■まず1つ目。誰にでも出来る簡単な方法として、「Google画像検索」があります。

PCの場合はブラウザ上の検索したい画像の上で”右クリック”、スマートフォンの場合は画像の上で”ロングタップ”して出てきたメニューの中から「Google画像検索」をクリックすることで、同じ画像がどこで使用されているのか、確認することが可能です。
この方法の良い所としては、「簡単に捜索できること、自サイトへのリンクが貼っていない場合でも発見できること」がありますね。但し、画像の量が多いと非常に手間がかかりますが…。
■2つ目は「通常のGoogle検索」を応用する方法です。
Google検索の絞り込みオプション、「ダブルクォーテーションマーク(“)」と「-site:」を使用します。
①検索キーワードをダブルクォーテーションマークで囲むと、完全一致検索。
②「-site:」の後ろにURLを記載すると、検索結果から該当URLのサイトが除外。
以上の2つを組み合わせ、自ブログへリンク(出典等で記載されていることが多いです)しているサイトを炙り出そう、という話です。
「https:○○○.com」というサイトの内容が無断転載されていないか調べる場合は
「”○○○.com” -site:https:○○○.com」
と検索します。こうすることで「○○○.com」が記事中に記載され、かつ「○○○.com」では無いサイト、が検索結果に出てきます。
キュレーション、まとめサイトは形式上は「引用」の体裁にしてある所が殆どなので、大抵はこれでひっかかります。引用だという姿勢を逆に利用してやろう、という訳です。

■そして最後、3つ目は、先日当ブログが公開した
リンク検出エンジン(無断転載発見ツール)を使用する方法です。
原理は2つ目の方法と同じですが、こちらはURLを入れるだけで簡単に調べることができます。

使い方はリンク先に明記していますので、ぜひともお試し下さい。
おすすめは1つ目と3つ目の併用でしょうか。画像・文章とまんべんなく捜索できるかと思います。
こうして無断転載記事を発見できたら、あとは煮るなり、焼くなり、使用料・損害賠償を請求するなり…。大抵のメディアの場合は記事削除には直ぐに応じます。賠償請求はそれなりに証拠を集める必要がありますが、開示請求を併せて突きつけることで、相手側が折れることも多いです。
またいつか、続きとして無断転載された際の体験談や対応方法を記事に書き留める予定ですので、しばしお待ちください…。
■最後に
画像や文章を盗られて辛い思いをする人が、この記事を通して少しでも減ると幸いです。
☆以下のリンク・有賀正博氏のサイト「旅するフォトグラファー」にはキュレーションメディアの”著作権侵害”に対抗するための手順やその経験が、非常にわかりやすくまとまっています。
無断転載に困っている方は、有賀氏の綺麗な写真と併せて、一度目を通すことを強くオススメします。

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