三菱鉛筆…というと、今はクルトガやジェットストリームと言ったイメージが強いですよね。後出しの三菱…なんて言われることもありますが、売れ筋ラインを的確に販売してくる戦略的なメーカーです。
有名所ではアルファゲルやスタイルフィットあたりが”後出し”の代表…なんて。
…そんな三菱ですが、過去には製図用シャープペンシルシリーズを多数展開していました。今回はその中からこのペンの紹介です。
〔MITSUBISHI uni M5-1052 〕
※(0.4はM4-1052、0.3はM3-1052)
Uni M5-1052.製図用文具絶世時代、グラフ1000やMONOTECHとしのぎを削っていた、三菱の代表的な製図用シャープです。
マットブラックのストレート軸にグレーの印字。王道といった感じでしょうか…。否が応でもグラフ1000を意識させられます。正に対抗馬だったんでしょうね。
やはり対抗馬達とは似ていますが、一味違う点…というか珍しい特徴として、ノックキャップの”ノックしろ”の部分までが黒に塗装されている点が挙げられます。
ここまで塗装してあるペンは中々珍しくて、管理人的には「おっ!」と思うポイントだったりします。コストもかかったと思うんですが、やはりそれだけ力を入れていたということでしょう。
※(なかなか見かけないですが、軸色は他にもグレー、イエローがありました。)
印字はシンプルに三菱とuniの表示と型番のみ。商品名=型番となっています。
三菱の古いペンには「uni」としか記載されていないペンが非常に多いので、型番が印刷されているのは種類を判別する上で助かります。
また、製図用らしくクリップもシンプルな形状をしています。挟み込む力はそれなり。
ノックの天冠部分は芯径ごとに色分けされていて、ひと目で分かるようになっています。
カラーリングは黄色=0.3㎜、オレンジ=0.4㎜、赤色=0.5㎜。
硬度表示は4H~Bまでの対応。4Hまで表示できるペンは意外と少なかったりしますが、しっかりと揃えてあります。
また、硬度表示の印字はシールなどで表されることが多いのですが、このペンはキャップに直接印刷されています。シールだと剥がれたりすることがあるので、直接印刷されているのは良いポイントです。
硬度表示にクリック感は無く、スルスルと回して表示する場所を決めるタイプです。
グリップ部分は樹脂と金属の二重構造。真鍮製のローレットグリップが軸から取り外せる様になっています。
組み立てコストの関係から脱着式になったのかもしれません。製図用シャープペンにおいてガタつきは嫌われる傾向にあるので、グリップはなるべく軸と一体化していた方が良かったような気もしますが…。どうでしょう。
それはさておき、このグリップは普通のローレットに加えて軸に対して横方向に4本、リングがついていて握りしめた時の疲労を軽減してくれるようになっています。これは、同時期の三菱製品にはよく見かける作りですね。
握りしめた時逆にこのリングが指に当たって邪魔になったりするので、個人的にはもう少し小さくても良かったような気もします。
口金は非常に小さいです。ネジ径が小さいせいか、モノによっては緩みやすかったり、ガタつくこともあるようです。
また、構造上ペンを落下させた際、ネジの根本から折れてしまう、なんてことも起こりうるので注意が必要です。
■グリップが真鍮製ということもあり、前重心になっているのでそれなりに使いやすいかな、と思います。
シンプルなデザインにしっかりしたローレットグリップ。「製図用」だな、と感じさせる部分が多く、個人的にそそられるペンです。廃番になってしまい、気軽に購入することができなくなってしまったのが残念な所です。
〔製品情報〕
三菱鉛筆 uni M5-1052
価格:1000円(税抜)
芯径:0.3㎜/0.4㎜/0.5㎜
軸色:ブラック/グレー/イエロー(他未確認)
廃番になってしまったので大きな文房具屋などで購入するのは難しいです。
小さな文房具屋などで直接見つけるしか無いですね。
H-28 8/15 一部内容を加筆・修正
H28-9/11 再加筆