たまにはこんな記事も良いかな?…という事でいつもとちょっぴり方向性を変えてみました。
今年最後の記事は、今年丸一年の内に発売されたシャープペンについて、「総まとめ」的な内容です。(「総評」なんてタイトル付いてますが、そんなに大それたものではありません。気軽にお読みいただければ幸いです。)それでは。
さて2017年もいよいよあと少し、年の瀬に入ってまいりました。他人の購入物に関してはあまり関心がない管理人がこんなことを言うのもアレですが、皆様、今年はどんな筆記具を購入しましたか?
毎年新しい筆記具が発売される日本市場、意外と「いつ発売されたか」「いつ買ったか」なんてものは忘れてしまいがちなものです。(「何年使ったか」をふと考えた際に、思い出せなったりするのはよくある話。(私だけでしょうか?))
そこで当記事では備忘録を兼ねて、今年発売されたシャープペンを発売日順に追って「記録」して行こうと思います。(あらかじめ…ぬけ漏れはご容赦を。)
□1月6日 パイロット/モーグルエアー (0.5mm)(画像なし)
2017年のトップバッターはこちら。パイロット・モーグルエアーです。年明けすぐの1月6日が公式の発売日です。実際はもう少しフライング気味の発売で、2016年末からちらほら店頭に出てたとかなんとか…。
2014年のオレンズ発売からじわりじわりと流行りだした「折れない」ブーム、パイロットも遂に乗り込んで来ました。
プラチナのプレスマンのようなクッション機構を進化させ、そこにパイロットお馴染みのフレ
フレ機構を組み合わせた発展・複合型の製品です。
発売当初から特集ページの設置や専用什器の用意など、他社の「折れない」シャープに追いつけ追い越せという勢いで力を入れているように見られました。…のは良いのですが、正直な所使用感に関してはとても微妙で、「「衝撃を50%吸収」とまで謳うレベルの吸収機構」が必要以上に動作してしまうためにガタつきがひどく、先行他社の製品と比べると完成度が低いかな…といった印象が…う~ん。
(管理人は試筆でもう駄目でした。)
クルトガの時もそうでしたが、管理人的には「ペンにそこまでやって貰わなくていいよ!そのぐらい自分で調節するよ!」と思う所。何と言うか、大人になっても鉛筆に「持ち方ガイド」を付けられているような気持ちになるのです。
ーーー閑話休題ーーー
フレフレ搭載と言ってもパイロットには200円で優れたフレフレ搭載シャープ「フレフレコロネ」がありますし、この製品に500円は無いな…と言うのが素直な感想です。そんな訳で、結局未だに買っていません。
そう言えば、今年11月に0.3mmが追加で発売されたんですよね。機会があれば購入してみようかな…。
□1月30日 ゼブラ/デルガードタイプLX0.3mm (画像代用)
※画像は0.5mm
こちらは新製品というか、新芯径ですね。
0.5mmが発売(2016/1/26)されてからほぼ丸一年、満を持しての登場となりました。
これでオレンズメタルグリップと同様両者に0.3mmが出揃い、同じ土俵での勝負が実現しました。
小売市場を見る限りでは今のところデルガードがやや優勢…と言った感じですが、果たしてどうなって行くでしょうか~。
来年頭にはオレンズメタルグリップも0.5mmが発売されることですし、さらなる激戦となっていくことでしょう。今後が楽しみです。
□2月16日(出荷) ぺんてる/オレンズネロ
こちらは言わずもがな。2016年末ごろよりその存在が噂されていた「オレンズネロ」(紹介記事へリンク)です。
発売前から色々な情報が錯綜した後、2017年2月15日に突如情報が解禁。続く翌2月16日に電撃的に発売されたことが未だ記憶に新しいです。
久々のストレートな高級シャープに懐かしのボールチャック、自動芯繰り出し機構に0.2mm…。期待するなという方が無理があり、大きな話題になりました。
(発売に際しぺんてるは各種メディアを使ったド派手な宣伝を行いましたが、そういったメディア先導的な売り方は文房具関連では過去あまり例がなく、良いかどうかは別として、そういった意味でも話題に。(本音を言うと、あまり気持ちのいい宣伝の仕方では無かった気もします。) 今後もこんな形が続くのか気がかりな所です。)
製品性能に関してはさすがのぺんてるですが、(詳しいことはこちらにて記事にしてあります)2017年末時点でもインターネットでは在庫切れが続いており、正直もう少しなんとかならないのかな…と思う所です。
(一方で小売店舗は少しずつ余裕が出てきたようです。大型店への集中投下が続いていますが、今まで供給できなかった地域や店舗にも回してほしいな…なんて)
□2月24日 オート/ノノック
オレンズネロの発売から遅れること1週間、オートも「ガイドパイプが芯をガードするから折れにくい」というちょっと無理のある売り文句とともに「折れない」ブームに乗っかってきました。
オートとしては珍しい吊るし用のブリスターパックまで用意しており、自信満々の様です。
OHTOの方に話を聞いた所によるとブリスターパックを付けた関係でコスト的にギリギリなんだそうで、結構冒険した…とかなんとか。(売れてくれないと困るそうです)
幸い予想を超える勢いで売れているらしく、オート的には成功した?形になるのかな…ということでしたが…。兎にも角にもオート好きとしては嬉しいことです。
製品性能に関してはいつものオート品質、細かい所はご愛嬌…という事で…。(いや、塗装とかクリップ周りとか、もうちょっと検品してくれオート~)
ほぼまんまデザインのビビックも出たことですし、暫くはこの2本体制で行きそうですね。
2018年1月26日追記:ノノックに新色5色が追加されました。中々好評のようです。
□3月22日 三菱鉛筆/アドバンス (画像なし)
こちらも年明けからチラホラと噂が出ていましたがその登場は意外と遅く、オレンズネロの登場からワンクッション置いた3月になりました。クルトガ…じゃなくてアドバンスです。
550円と本元のクルトガからほんの少し値上がっていますが、クルトガと比べ芯が2倍早く回る機構を搭載し、また金属パーツを多用することで安っぽさを抑えることに成功しています。
実は管理人はまだ数回ほどしか触れていないんですが、価格の割に質感が良く、これなら普段使いでも良いのかな、なんて思ってしまう出来になっていたかと思います。
…にしても、今年も三菱はクルトガ重視で相変わらず「折れない」ブームには無関心か~なんて思ってたんですが、よく見るとちゃっかりスライドパイプを搭載して「芯ガード」を謳っていたんですね。(もっとも、コレはクルトガ・スライドパイプモデルの頃からでしょうか)ー無理くり感ありますが、相変わらず三菱は抜け目がない…。
なにはともあれ、ハイエンドモデル(1000円)はちょっと手が出せないけど、ワンランクグレードアップしたいな、なんて層を上手く拾えているんじゃないかと思います。
□5月15日 プラチナ/プロユース171
プラチナから他社とは全く違う傾向の新製品。従来の「折れない路線」は「オ・レーヌ+」に任せて、と言うことなのかかなり異色のものになりました。
一応プラチナの製図用ライン「プロユース」を名乗ってはいるものの、今までのそれとは全くの別物。先端収納機構&クッション切り替え機構(実はバリオLとほとんど同じ内部パーツを使ってます)と言うプラチナらしいニッチな機能の組み合わせに、今時珍しい芯硬度窓付き、1500円とかなり攻めた商品で、性能・精度自体もかなりいいものになっています。
ただし残念なことに見た目に詰めが甘い箇所(軸の色ムラ・加工跡)が目立ち、全体的に惜しいところが…。(1500円もするのに、軸の質感はプロユース300とほぼ同じ…などなど)
0.5mmはよく売れているようですが、0.7mm,0.9mmはやや苦戦している様子ですね。
またプラチナはトルコで先行販売されていたプロユース1000の新色・マットブラックモデルの国内販売も開始しており、こちらは中々好評のようです。この年は限定色・新色が数多く発売されたのも特徴と言えそうですね。
□8月9日 ぺんてる/オレンズ(0.5mm) (画像無し)
デルガードと同じく、こちらも芯径の追加になります。(画像省略)
…と言うか、今年に入るまで0.5mm出してなかったのかオレンズ…と言うのが素直な感想。海外ではとっくの昔に0.5mm/0.7mmが発売されていたので、てっきり国内でも発売されているものだと勘違いしていました。…その内0.7mmも発売されるのかな?
デルガードやモーグルエアーもそうですが、芯径を徐々に追加していくのも最近のトレンドと言うか、流れというか…。まずは一番売れそうな所から…ということでメーカーさんも慎重なんでしょうけど、一消費者としてはまとめてドーンと展開してほしいかな…なんて思う所です。
□11月 ステッドラー/925-15
今年のしんがり…大トリはステッドラーから約8年ぶり(2009年の925-65以来)に登場したシャープペン「925-15」です。
500円と安価ながらも「製図用シャープペンシル」を謳うだけあって、多芯径展開・硬度窓装備と中々気合の入った製品となっています。久々の正統派…といった所でしょうか。
ポジション的にはパイロットのSシリーズ系統、特にS5辺りとの競合が予想されますが、店頭では品切れが続くなど中々好調な滑り出しを見せているようです。(結構売れてるみたいです)
なお個人的な感想としてはちょっと軽すぎかな、なんて思う所もあって、実は同じ「925」なら旧来のモデルのほうが好きだったりします。ただ立ち位置的に925と925-15は被ってしまうので、今後の「925」の存廃が心配な所ですね…。共倒れってことは無いとは思いますが~…。
■あとがき
…以上、駆け足ではありましたが、今年登場したシャープペンシル(管理人が気づいた分のみ)をザックリと見て参りました。
「無印の最後の1mmまで書けるシャープペンが無い!」とか「パイロットの新しいレグノが無い!」とか、色々あるかと思いますが、そのあたりはご愛嬌、という事で…。
大きな流れとしては昨年に引き続き「折れにくさ」がトレンドの1年でしたが、流行り一辺倒ではなく、プロユース171や925-15などシャープペンシルの精度そのものにフォーカスを当てた製品も登場するなど面白い年でした。
一方で消えてしまった製品も沢山ありましたね。(管理人的にはウチダのドローイングシャープ・S型が廃番となってしまったことがワリとショックでした。)
来年は「今年販売が終了した筆記具編」なんてのもやりたいですね…。もっとも、メーカーは製造終了のときはこっそり・ひっそりスタイルなので中々網羅することは難しいかもしれませんが…。
というわけで、最後になってしまいましたが、今年も1年間ありがとうございました。
ほそぼそとではありますが、来年も更新して参りますのでどうぞ宜しくお願いします。
それではまた次回の更新で。良いお年をお迎え下さい。