前編ではボールペンを分解した所までの話を書いていきました。
後編では具体化した図と画像を使って、振り子式の仕組みに迫っていきましょう。
ーそれでは。
前編の最後にこの画像を載せた所で終わったんでしたね。前編で述べたとおり、この図は振り子式のボールペンの側面図なんですが…これだと全体像が分かりにくいかと思いますので、もう少し引いた全体図を出してみます。
それがこちら。
それぞれ、縦断面図と横断面図になります。
(※図は説明しやすくするために2色ペンに簡略化しています)
それぞれの図を説明すると、
△縦の断面図はボールペンを縦にズバッと切った状態をイメージ。
上が赤、下が青色の表記になっていることを想定した状態になっています。これは実際には軸の表面のマークになります。
△横の断面図は、縦の図を90度回転させ、真横から内部を透かして見ている状態をイメージ。
なんとなく、想像つくでしょうか…。
△実物を横から見るとこんな感じ。
ノック部分は一般的なボールペンと変わらない見た目ですが、軸の内部に振り子式特有のおもり(金属棒)パーツを備えています。(断面図では黄土色で表しています)
写真を見ると分かるのですが、このおもり(金属棒)はノック側が軸の中央に固定され、反対に先端側は自由に上下することができる構造になっています。このため、常におもりの先端が軸の下側に向くようになっているんですね。
ノックすることで間接的におもりを押し出し、軸の下側のみを繰り出すことが出来るわけです。
え~と…言葉だけではわかりにくいので、図で整理してみます。
△上がノック前の状態、下がノックした状態です。金属棒が上手く赤インク芯だけを押し出していますね。
△軸の向きをひっくり返してノックすると、当然重りは下を押し出すので青インク芯をノックすることができます。
…ここで冒頭の画像をもう一度。縦断面図のマークの色と、横断面図の芯の色が上下で反転していることに注目です。
表面のマークとインクの向きが”反対”に配置されることで、マークを上に向けたときに対応する色が必ず下に来るようになっているんですね。(つまりは、マークを上に向ける→対応する色(リフィル)が下に来る→おもりが押し出す……)
これが傾けた向きによって指定した色を出すことができる秘密だったんですね。
ーこんな所でどうでしょう。
ざっくりとした説明でしたが、把握していただけたでしょうか。こういった仕組みだった訳です。
■振り子式のボールペン、いかがでしょうか。普通のノック式の方が直感でノックできて使いやすい、なんてこともあるんですが、振り子式の軸を傾けて色を選ぶ独特な使い方も慣れると中々楽しいものです…。
おまけにもう少し分解してみました。
普段は見ないようなパーツを見てみるのも意外と面白いかもしれません…。
※小さい部品が多いため、分解の際には注意が必要です。
H28-11/07 一部内容を加筆、修正しました。
コメント
こんにちは、このダイソーのペンはまだ発売中ですか?今私はアメリカに住んでいる、でも日本に住んでいる時(2011頃)このペンをかった。先週私の彼氏が私のペンを無くした。本当に怒っている!彼も謝らない。世界中の一番いいペンだと思うから、新しいのを買いたいです。
ダイソーにあるなら、教えてお願いします!
Julia Schwermさん
コメントありがとうございます。
無くされてしまったのですね…。残念なことにこのペンはすでに生産が終了しており、2017年現在、ダイソーでは購入できません。
後継機種とも言える製品がOHTOから販売されていますので、良ければ見てみて下さい。
(Thank you for your comment.
Unfortunately the production of this pen has already ended.
Thus, it is not sold at Daiso.
Products that can be said as successor models are sold from OHTO, so please take a look if you like:) )
OHTOのURLが間違っている様ですので
ご確認頂けると幸いです。
[…] どういう仕組みかを詳しく知りたい方はこちらを参考にしてください。 […]